最近、築10年前後のマンションの外壁に関する問い合わせが増えております。

8月23日の読売新聞に、マンションの外壁トラブルに関する記事が掲載されておりましたので、参考にしていただければと思います。

以下、読売新聞の抜粋記事となります。

 

マンションの外壁が剥がれたり、ひび割れたりしてトラブルになるケースが増えている。住宅紛争を扱う団体には、2016年度に約160件の相談があり、約10年間で3.5倍に急増。コストを抑えるための工程簡略化などが原因とみられ、築年数の浅い物件で、住人が業者相手に訴訟を起こすことも多い。過去には外壁落下で死亡事故も起きており、専門家は「早めの対策が必要」と指摘する。

■施工不良が疑われる外壁の不具合の割合

5年超~10年 3%以上

10年超~15年 5%以上

15年超~20年 10%以上

◆「築5年で・・・」

「築5年で外壁が1メートルにわたって剥がれ落ちた」

公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(東京)には、マンション管理組合から施工不良を訴える相談が相次ぐ。

外壁の破損に関する相談は08年度が44件。10年度に100件を超え、その後も増加傾向が続き、16年度は161件に達した。センター担当者は「修繕工事の点検で、破損が見つかることが多い」と話す。

マンションの外壁は、建物本体のコンクリートを保護し、デザイン性を高めるため、タイルを貼りつける工法が一般的だ。住宅問題に詳しい弁護士や業界団体は、トラブル急増の要因として、昔は職人がタイルを1枚ずつ貼りつけていたが、近年は工期短縮やコスト抑制のため、複数枚を事前に取り付けたものを現場で貼りつけたり、タイルをはがれにくくする工程を簡略化したりする施工会社が増えたことを挙げる。

◆施工不良か劣化か

裁判となるケースも少なくない。大阪地裁には建築関連の訴訟を専門に扱う「建築部」があり、常時十数件が紛争中だ。

神戸・三宮の20階建てマンションの管理組合は去年12月、施工不良で外壁の補修工事が必要になったとして施工会社などに約2億4300万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。

訴状によると、マンションは05年の完成で、15年に14階の外壁タイルが幅1.5メートルにわたって剥がれ、4階のベランダに落下、一部は歩道に散乱した。補修会社の調査で外壁全体の15%に問題があるとされた。

張り替えを余儀なくされた管理組合は「タイルを取りつけるコンクリート面の処理に手抜きがあった」と主張。施工会社は「原因は経年劣化」と争っている。

大阪府豊中市の9階建てマンションでも、築12年だった14年、外壁の4割でタイルが浮くなどし、管理組合はタイル(縦5センチ、横10センチ)15万枚を交換した。去年3月、施工会社に約5900万円の支払いを求めて提訴。会社は「施工は適正」と反論している。

施工不良と劣化の見極めは難しい。建築部にいた高嶋卓裁判官は法律雑誌の17年9月号で、判断基準の目安を公表。建築士らと検討を重ねた結果として、築年数に応じ、施工不良が疑われる外壁の破損割合を▽施工5年超から10年以内は3%以上▽15年までは5%以上―などと示している。